PULL UP KING

懸垂バンドの使い方 — 強さの選び方・バーへの付け方・自重までのステップ(2026)

2026.9.30

懸垂バンドは、自重では数回しかできない人が懸垂の動作を全可動域で繰り返せるように、体重の一部を肩代わりしてくれるゴムバンドです。懸垂バンドの使い方は単純に見えますが、太さは実際に1セットやってみて選び、バーにはほどけないように巻く必要があります。この記事では、バンドを選び、バーに付け、1段階ずつ細いものに替えて自重へ移っていく順番をまとめます。

懸垂が0回の状態で何から始めるかは、懸垂ができない人向けの記事に別にまとめました。ここではバンドそのものに絞ります。

懸垂バンドの種類 — ループ型だけ見れば十分です

トレーニング用のバンドにはいろいろな形がありますが、懸垂にはバーにかけられるループ型を使います。

種類 形 懸垂に使えるか
ループ型の懸垂バンド 切れ目のない長い輪 使えます。バーに巻いて固定できます
平たいリハビリ用バンド 薄いゴムの帯で、両端が開いている バーにかけられません

バンドを選ぶときは、製品に表示されている幅や負荷の範囲を確認します。

初めて買うなら、1本より太さの違う2〜3本のほうが扱いやすいです。後で説明するバンドのステップは「バンドを1段階ずつ細くしていくこと」なので、1本しかないと、膝と足をかけ替える以外に次の段階へ進む方法がありません。

太さの選び方 — 1セットやってみて決めます

懸垂バンドの太さは、目安表で決めるより、実際に1セットやってみて決めます。

  1. 手持ちのバンドを1本付けて、今日やる回数で1セットやってみます。
  2. その回数をぎりぎりこなせたら、合った太さです。
  3. ずっと楽にこなせたら、細いバンドに替えます。
  4. 半分もこなせなかったら、太いバンドに替えます。

自重で1回もできない状態なら、たいていは手持ちの中でいちばん太いバンドから始めます。バンドが強いほど、バンドが支える分が大きくなり、自分の腕で持ち上げる分は小さくなります。楽すぎるバンドだと回数はこなせても自分で持ち上げる分が小さく、きつすぎるバンドだと決めた回数の半分にも届かずにセットが終わります。だから基準を「ぎりぎり」に置きます。

ひとつ知っておきたいのは、バンドの補助が動作の位置によって違うことです。腕を伸ばしきった下の位置ではバンドがいちばん伸びているので強く押し上げてくれ、顎がバーに近づくほどバンドが縮んで補助も小さくなります。そのため、バンドを付けて半分までは楽に上がるのに、上のほうで止まることがあります。上の区間はバンドの補助がいちばん小さいところなので、同じ動作の中で自分の力で持ち上げる分がいちばん大きくなります。

懸垂バンドの付け方 — バーに締めて、結び目は上に

懸垂バンドの付け方は、一度覚えればすぐにできます。手順はこうです。

  1. バンドの片方の端をバーの上から越えさせ、手前側に垂らします。
  2. 垂らした側の輪の中に、反対側の端を通します。
  3. 通した端を下に引くと、バンドがバーに巻きついて締まります。
  4. バンドがほどけないように、締まった結び目がバーの上側に来るように回しておきます。

バンドはバーの真ん中に付け、両手はバンドの左右を握ります。

膝にかけるか、足にかけるか

かける場所 補助 特徴
片膝 比較的小さい 足より揺れが少ない
足 比較的大きい バンドが長く伸びるぶん補助は大きいが、膝より揺れやすい

同じバンドでも、足にかけるとバンドがより伸びるので補助が大きくなり、膝にかけると小さくなります。つまり1本のバンドでも2段階を作れます。ただ、揺れが少ないのは膝なので、補助が足りているなら膝にかけるのを基本にします。

乗り方と降り方

伸びたバンドから膝や足が急に外れると、伸びていたゴムが上に跳ね上がります。そこで乗り降りの順番を決めておきます。踏み台や椅子をバーの下に置き、先にバーを握ってから片膝をバンドに入れます。セットが終わったら、膝をかけたまま踏み台に足をつき、片手でバンドをつかんでから膝を抜きます。

懸垂バンドのステップ — 回数ではなく補助を減らしていきます

バンドで練習するとき、いちばん迷うのが「いつ細いバンドに替えるか」です。懸垂バンドのステップでは、回数を増やし続けることではなく、バンドの補助を減らすことが進歩です。細いバンドに替えると回数はむしろ減ることがありますが、補助が減ったぶん自分の体重をより多く持ち上げているので、後退ではありません。

PULL UP KINGの64レベルのプログラムは、最初の12レベルをこの考え方で組んでいます。3レベルごとにバンドを1段階替え、1セッションは5セットです。

レベル バンド 1セッションの処方回数(5セット合計) この区間でやること
1〜3 強いバンド 31回 太いバンドで動作を何度も繰り返す
4〜6 中くらいのバンド 27回 1段階細く。1セットをぎりぎりこなせる太さを保つ
7〜9 弱いバンド 23回 いちばん細いバンド
10〜12 自重まじり 19回 前のセットはバンドなしで、回数が出なくなったセットから弱いバンド
13 なし 1・1・1・1・1 自重1回を5セット

レベルが上がるのに、処方回数が31回から19回に減っていくのがこの表の要点です。補助が減ったぶん同じ回数ができないのは当然なので、補助を取り除くのに合わせて処方回数も下げていく仕組みです。10〜12レベルの「自重まじり」は回数を増やす段階ではなく、バンドを使うセットを減らす段階です。

バンド区間のセット間の休憩は60秒と短めに設定されています。13レベルからはバンドなしで1回ずつ5セットを行い、その次のレベルから最初のセットを1回ずつ増やしていきます。そこから先の回数の積み上げ方は、懸垂の回数を増やす記事に続けて書きました。

1レベルは3セッションなので、処方をこなしていけば、およそ9セッションごとにバンドが1段階細くなります。アプリを使わない場合は、前に書いた太さの選び方をそのまま使います。決めた回数がずっと楽にこなせるようになったら1段階細いバンドに替え、替えた日に回数が減るのは正常だと考えます。

バンド懸垂で気をつけること

下で弾んで上がる。 腕を伸ばしきった下の位置はバンドがいちばん強く押し上げるところなので、下りた瞬間にその力で跳ね上がることがあります。そうなると、上がり始めの区間を自分の力ではなくバンドの反動で越えてしまいます。下で一拍止まり、肩から引き下げてから上がります。

最後まで下りない。 腕を半分だけ伸ばしてまた上がってしまうことがあります。運動の基準では腕を伸ばしきるところまでで1回で、顎がバーを越える上側も同じです。基準は懸垂フォームの記事にまとめました。アプリが見るのは顎が判定線を越えたかどうかだけなので、腕を伸ばしきったか、反動を使ったかは回数に表れません。この2つは自分で守ります。

バンドの状態を見ない。 セットの前にバンドを伸ばしてみて、ひび割れや裂け目が見えたら交換します。セット中にバンドが切れると、バンドが支えていた分が一度に腕にかかって体が急に重くなり、伸びていたゴムが跳ねます。

同じ太さを使い続ける。 最初に選んだバンドで回数がずっと楽にこなせるのに、太さを替えないケースです。バンド区間の進歩は補助を減らすことなので、太さがそのままなら進歩もそこで止まります。

バンドがないときの代わりの方法

バンドがなくても、同じ考え方で練習できます。

PULL UP KINGのバンド区間では、この2つの方法もそのまま回数として数えます。バンドが届く前なら、ここから始めてもかまいません。

よくある質問

安いバンドでも大丈夫ですか?

どこで買うかより、2つのことを確認します。バーに巻けるループ型かどうか、そしてひび割れや裂け目がないかです。太さが1本しかない場合は、足と膝をかけ替えて2段階を作れますが、バンドのステップを最後まで進むには、結局もっと細いバンドが必要になります。

バンドを使った回数も懸垂の回数に数えていいですか?

PULL UP KINGのカメラは、バンドを付けているかどうかではなく、動作を見て数えます。顎が判定線(バーより少し下、肘の高さに引く点線)を越えた回だけを数えます。バンド区間(1〜12レベル)は補助を使うことを前提に処方が組まれているので、その回数がそのまま記録されます。

バンドを2本重ねて使ってもいいですか?

補助が足りないときに、2本を一緒に巻く方法があります。2本のバンドが引く力が足し合わされて、補助が大きくなります。重ねて使うときも、2本とも結び目がバーの上側で締まっているかを見ます。

ドア枠の懸垂バーにもバンドを付けられますか?

付けられます。じっとぶら下がっているとき、バーが受ける重さはバンドを付けても体重そのままです。バンドが支えている分も、結局はバーにかかるからです。ただ、弾んだり乗り降りしたりして体が揺れる瞬間には、バーに体重より大きな力がかかることがあります。ドア枠に掛けておくタイプのバーなら、揺れでバーが浮かないかを先に確認します。バーの種類ごとの違いは自宅用懸垂バーの記事にまとめました。

バンドを細くするタイミングを教えます

1〜12レベルはバンド区間。3レベルごとに1段階細く、13レベルから自重1・1・1・1・1。バンドを付けていても、カメラは回数をそのまま数えます。