懸垂回数を増やすプログラム:1回から30回まで行く64レベルの組み立て方
懸垂回数を増やしたいとき、よくあるやり方はこうです。バーの前に立ち、できるだけ多く引き、少し休み、腕が動かなくなるまでそれを繰り返す。このやり方には「次に何をするか」が含まれていないので、何かが変わったかを知る方法は、また最大回数を試すことしかありません。
「できるだけ多く」はテストであって、計画ではありません。水曜日に本当に大事な唯一の問い――今日は何をやるのか――に答えてくれません。プログラムは、バーに触る前にその答えを出してくれます。
ここから紹介するのは、私がトレーニングに使っているプログラム、PULL UP KING に組み込まれた64レベルのものの構造です。どのアイデアも独自のものではありません。回数を減らしていくセット、小さく決まった増分、レベルに合わせて延びる休憩、そして計画的なディロード。それだけです。好みならノートで回してもかまいません。大事なのは、数字の入ったものを回すことです。
懸垂回数を増やすプログラムが、限界セットと違うところ
限界までのセットは、今日の自分の位置を教えてくれます。けれども、次のセットで何をするか、次のセッションで何をするかは教えてくれません。このプログラムは、その両方を前もって決めておきます。
まず配置です。すでに懸垂ができるなら、レベルテストは、トップセットが測った最大回数の75%に最も近いレベルに割り当てます。理由はプログラムの設計メモに書かれています。1セット目を限界まで行うと、その後の4セットをこなせない。だから1セット目はわざと抑え、セッションは1セット目だけでなく5セットすべてで判定されます。
次に、小さく決まった歩幅で進みます。64レベル×各3セッションで192セッション。レベル20からは、通常のレベルごとにセッション合計がちょうど2回ずつ増え、その2回は5セットのうち2つのセットに1回ずつ足されます。レベル22は8-7-5-5-5、レベル23は9-7-6-5-5、レベル24は10-7-6-6-5。次の数字はいつもわかっていて、前の数字から遠く離れることはありません。
1回のセッションの形:回数を減らしていく5セット
どのセッションも5セットで、前のセットより大きいセットはありません。1セット目がトップセットで、疲れていない状態で行います。続く4セットはバックオフセットで、4つ合わせるとセッションの大半を占めます。レベル64なら、トップセットが30回、残りの4セットでさらに64回です。
セット間の休憩は一つの固定値ではありません。レベルが進むにつれて段階的に延びます。バンドのレベルでは60秒。最初の自重レベルであるレベル13で90秒になります。レベル18からはトップセットの大きさに合わせて、トップセットが12回以下のあいだは90秒、20回までは120秒、それを超えると150秒です。これも設計メモに理由があります。セットが長くなるのに休憩が短いままだと後半のセットを満たせなくなり、アプリはそれを「レベルが重すぎる」と読んでしまうからです。ディロードのレベルは別に短めで、レベル21〜33は75秒、37〜53は105秒、57と61は135秒です。
| 段階 | レベル | セット間の休憩 |
|---|---|---|
| バンド | 1〜12 | 60秒 |
| 自重の最初の区間 | 13〜17 | 90秒 |
| トップセット12回まで | 18〜30 | 90秒 |
| トップセット13〜20回 | 31〜46 | 120秒 |
| トップセット21回以上 | 47〜64 | 150秒 |
| ディロード | 21、25、29、33 | 75秒 |
| ディロード | 37、41、45、49、53 | 105秒 |
| ディロード | 57、61 | 135秒 |
休憩はアプリの設定で自分で決めることもできます。触らなければ、レベルに合わせて変わります。
スタート地点:バンドから、本当のスタートラインへ
レベル1から12はトレーニングバンドを使います。バンドは3レベルごとに強・中・弱、そしてミックスと弱くなっていき、処方される回数もそれに合わせて減ります。強いバンドでは1セッション合計31回、その後27回、23回、19回です。逆行しているように見えますが、段階ごとにバンドの助けが減っていることを思い出してください。この区間の進歩は、回数を増やすことではなく、バンドの助けを減らすことです。ミックスの段階(レベル10〜12)が最後の一歩で、前半のセットはバンドなしで行い、回数が届かなくなったセットから細いバンドを掛けます。
レベル12をクリアすると、アプリは自重での測定を求めます。1回できればレベル13へ、もっとできればさらに上へ、0回ならミックス段階の始まりであるレベル10に戻ります。
自重が始まるのはレベル13で、その中身は1-1-1-1-1です。休憩をはさんで1回ずつを5回。これはウォームアップのレベルではありません。本当のスタートラインです。ごまかしのない懸垂が初めて1回できた日に、ちゃんと取り組めるセッションが待っているように設計されています。
| 段階 | レベル | 1セッションの内容 |
|---|---|---|
| バンド(強→ミックス) | レベル1〜12 | バンドが弱くなるにつれ合計31回、27回、23回、19回 |
| 自重のスタート | レベル13 | 1-1-1-1-1(5回) |
| ディロード | レベル21、25、29、33、以降4レベルごとに61まで | トップセットは前のレベルの80%、バックオフセットは60%(3回未満にはしない) |
| ゴール | レベル64 | 30-17-16-16-15(94回) |
4レベルごとのディロード
レベル21以降は、4レベルごとにディロードが入ります。21、25、29、33と続き、61まで全部で11回です。トップセットは前のレベルのトップセットの80%に、バックオフセットはそれぞれ60%に下がりますが、3回を下回ることはありません。削る分は主にバックオフセットにかかり、トップセットは比較的重いまま残る設計です。1レベル3セッションなので、週3回トレーニングしていれば、ディロードは1週間で終わります。
ディロードで進捗を失うことはありません。ディロードの次のレベルは、その前のレベルからいつもどおり2回足したところから再開します。レベル20が8-6-5-5-4(28回)、レベル21がディロード、レベル22が8-7-5-5-5(30回)です。
下の動画はディロードのレベルのものです。レベル21は6-4-3-3-3、合計19回。自宅のチンニングスタンドで行っています。レベル20の28回より軽くなるように作られています。
ディロードは、きつかったご褒美ではなく、予定に入っているものです。直前の3レベルがきつかったかどうかに関係なく4レベルごとに来るので、いつ軽くするかを自分で決める必要がありません。
ゴールの懸垂回数:レベル64の中身
レベル64は30-17-16-16-15です。1セッションで94回、トップセットは30回。レベル13の「1回×5セット」と並べると、プログラムの形がまるごと見えてきます。相変わらず5セットで、前のセットより大きいセットはなく、休憩は90秒から150秒まで延びています。変わったのは数字だけ。小さな一歩ずつ変わってきたのです。
64レベルを週3セッションで進めると64週、すべてのレベルを一度で通過した場合でおよそ1年3か月です。やり直しがあれば、そのぶん延びます。この長さと引き換えに手に入るのは、次のレベルの数字がいつもすでに書かれていることです。
自分で回す方法と、アプリで変わること
このプログラムはノートでも回せます。ルールはカード1枚に収まります。
- 1セッションは回数を減らしていく5セット、1レベル3セッション。
- 3回目のセッションが終わったら、3回のうち2回以上すべてのセットを満たしていれば次のレベルへ。
- 3回のうち2回満たせなければ(連続でなくても)、そのレベルをもう一度。
- 同じレベルを2回続けてクリアできなければ、1レベル下がる。
- レベル21から4レベルごとにディロード。トップセット80%、バックオフセット60%、3回未満にはしない。
- 休憩は上の表の段階ごと。
数字はセッションの後ではなく、前に書いておきます。
アプリは、その周りにいくつかのルールを足しています。懸垂のセッションは1日1回で、深夜0時まで閉じます。週3回、1日おきをすすめますが、連日を止めはしません。前日に続けて行った日の未達は、未達としても進行としても数えません。5セットのうち3セットに届かずにやめたセッションは、記録には残りますがレベルには使われません。そして2回続けて処方を大きく上回ると、レベルを飛ばすかどうかを尋ねてきます。勝手に上げることはしません。
ただ、一人では一定にやりにくいことが2つあります。1つ目はカウントです。自分で数えていると、疲れた1回を甘く数えやすくなります。自分で数えるなら、セットの前に基準を決めておきます。厳密な基準は、顎がバーを越えることです。2つ目は休憩です。スマホのタイマーで1分半のつもりが、2分とひとしきりのスクロールに変わることがあります。
PULL UP KING は、まさにこの部分のために作られています。カメラが1回と数えるのは、顎が判定線を越えたときです。判定線はバーより少し下、肘の高さに引かれる点線です。線をバーより下に置いているのは意図的で、カメラの角度と関節認識には誤差があり、バーぴったりで判定すると正しい回まで捨ててしまうからです。アプリは反動を別に判定しません。顎が線を越えて戻ったかだけを見ていて、線に届かずに止まった回は数えません。各セットの後は、休憩のカウントダウンが最後の10秒を「10、9、8……1」と声で読み上げ、ベルが鳴ります。セット間に画面を見つめている必要はありません。すべてのセッションが保存され、各セットは初期設定で動画に録画されます。回数とタイムを焼き込んだ縦型動画として保存することもできます。数字をレベルごとにトップセット30回まで決めるのはプログラムです。アプリはどのセットでも同じ一つのルールで数えるので、あなたが書き留める数字は、カメラが見た数字そのものです。